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Users' Cases
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東芝デジタルフロンティア(旧:株式会社ビッツ)
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ダイキン工業が開発・販売しているScenaristは使いやすさと機能の高さから、 平成8年3月の発売以来、全世界の先進ユーザーに高い評価をいただき、 次世代DVDオーサリングにおける標準システムの地位を確立しています。
そのScenaristを、発売と同時にご導入いただきました株式会社ビッツ様に次世代DVDオーサリングスタジオの業務概要とその中で使われているScenaristの姿を概観していただきました。お話をお聞きしたのは、取締役 デジタルコンテンツ事業推進部 事業部長 遠藤慎一さまです。
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| 遠藤 慎一氏 |
株式会社ビッツ様(以下、ビッツと表記)は東芝の100パーセント出資の関係会社で、1970年代からコマーシャル映像・ビデオパッケージなどの制作を手がける、映像制作の草分け的存在。 脚本演出セクションからビデオ編集室、VHSビデオテープのプリント工場までを社内に擁する総合映像製作プロダクション(*1)です。
ビッツは、東芝のDVDビジネス戦略におい直系映像プロダクション3社の中でも特に業務用(企業向け)のDVD映像制作ビジネスの 開発に重点を置いた存在として位置づけられます。
そうした戦略展開の結果、事業開始当初には市販タイトル制作と業務用タイトル制作との比率が7対3程度だったのですが、現在ではその比率が逆転し、制作するタイトルの約7割が業務用になっています。
業務用タイトルとは企業が自社業務の一環として制作するもので、主に製品紹介、企業紹介、トレーニングなどの内容があり、ショールームや店頭、展示博覧会やセミナー会場、社内教育/求人などで使用されます。
■DVDタイトルの現状と今後の予測
DVDタイトル全般の現状は、プレーヤの普及度がまだ高くない状況の中、総タイトル数が千数百を越え、業務用タイトルはその内の1割程度であると推定されています。
なお、斬進的な普及ペースの続いている一般市場に比べて、いったん立ち上がった後では急速な拡大が予想されているPC(パーソナルコンピュータ)向けの DVDタイトル市場においては、数年以内に、かつてのCD-ROMタイトルと同様にDVDタイトルの急速な拡大と多様化が起こると考えられます。
DVD-ROMドライブ内蔵タイプのPCも複数メーカーからラインナップされはじめており、こうした考え方を裏付けています。
遠藤氏は「業務用のタイトルとしては、現状ではまだビデオテープが主流です。どこの会社にもビデオデッキがありますし、テープを渡せばどの会社でも簡単に見ることができますから。 しかしランダムアクセスのメリットや章立て構造などをしっかりと作り込めるという意味で、CD-ROMがビデオテープに置き換わりつつあります」という。
現状は、再生環境の普及度と媒体機能への要求、という相反する条件が拮抗しているため、DVDにとっては、まだ「前夜」という状況のようですが、鮮明な動画再生能力と高度な再生プ ログラム機能という優位性によって、DVD-ROMへの潜在的な指向はすでにかなり高いと考えられます。 それを裏付けるかのように、ビッツでは同一タイトルをVHSとDVDで制作するケースも数例あったということです(CD-ROM は作らないというところが示唆的です)。
「DVDタイトルの場合、現状ではタイトル制作だけではなくハードウェアとのパッケージ案件も意外に多い」という遠藤氏の言葉からは、DVDが再生環境のハンディキャップを突破するだけの画質的・機能的アドバンテージを持っていることが発注企業に理解されつつあることが読みとれます。
■ビジネスDVDタイトルの利用意図
ビッツが受託するDVDタイトル制作の用途はリニア系とインタラクティブ系に大きく二極分化してきているといいます。
リニア系タイトルはイベント会場や店頭などに置いて自動的に映像を流し続ける使い方 が基本です。したがって対話的にストーリー展開を複雑に分岐していくような構成はほとんどなく、ビデオテープによる従来の使い方自動繰り返し再生)と同じ使い方を想定し、媒体をDVDに置き換えたものです。 DVDの対話性は敢えて使わず、映像のクオリティと運用の安定性(操作の容易性/動作の確実性/損耗等による劣化がない)を重視してDVDを選択する例ですが、 特定のパートだけを組み合わせて任意の順序でシームレスに連続再生することができることもメリットです。
一方のインタラクティブプレゼンテーションは、大量の情報を格納しておいて、閲覧者が自分の興味に従って映像内容を選択的に選び出していく、あるい は有人プレゼンテーションなどにおいて、使える時間枠に合わせて呼び出す内容を選択していく、などの機能を評価してDVDを選択している例だといえるでしょう。
遠藤氏は、"こうした両極端ともいえる『コース設計』に柔軟に対応できて、クオリティの高い映像を格納できるところがDVDの良さです。しかも、再生環境 に依存せずにプログラムを組み込むことが可に依存せずにプログラムを組み込むことが可で、制作意図に応じて相当に高度な構造のものも対応可能です。
かつてよく強調されていた画質や音の良さというのは、今では『特長』というよりもすでに当たり前の前提条件です"といいます。
こうした点がクライアントに理解されるようになって、業務用タイトルに限定すれば、昨年末あたりからぐっと制作本数が増えたということです。
■Scenaristのパフォーマンスを最大限に引き出す
さて、遠藤氏の言う『相当に高度な構造のもの』というのは、分岐構造を含んだメニュー構造やそれらをプログラムとして組み込んだもの、さらにはマルチリンガル対応のナレーション/テロップ(字幕)のことです。 ユーザーがそうした機能を呼び出すことは簡単なボタン操作で可能なのですが、これらをタイトルソフトの中に作り込むことはかなり複雑な作業です。
"こうした作業のために以前はかなり大変な思いをしましたが、DVD規格をフルサポートしているScenaristを導入してからは感覚的に作ることができる ようになって、生産性と作品のクオリティがずいぶん高くなりました"と遠藤氏は証言してくれました。
ビッツにおけるDVDタイトル制作ラインは右図の通りですが、ここでは東芝製のリアルタイ 演出などの制作スタッフや撮ムMPEG2エンコーダ(DOLBY AC-3/2ch対応)が 1セット、東芝製のオーサリングシステムが2セット、Scenarist2が3セット、ScenaristNTが1セット稼働しており(オーサリングは6系統(6チェイン)での同時制作が可能)、同時期に多数の制作作業が集中しが ちなDVDタイトル制作においても余裕をもってプロジェクトを進めることができます。
演出などの制作スタッフや撮影クルーも社内に居るために、通常のビデオ用とは性格の異なるDVDタイトル用の構成や撮影にも綿密な打ち合わせができ、 エンコード前の映像編集もポストプロダクションとしての社内編集室で十分に時間をかけて行なえます。CG制作やメニュー画面もマルチメディア工房で作ります。
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| 東芝製MPEG2リアルタイムエンコーダー |
メニュー画面やタイトル画像などを制作するマルチメディア工房 |
こうしたフルラインナップの映像制作環境から、現在、毎月15〜20のDVDタイトルが作られ、また今後増加が予想されています。そのうち3割程度は市販タイトルで、"鉄道マルチアングルシリーズ"やバンダイの"アルプスの少女ハイジ(13枚組のみ)"など、大ヒットした作品が含まれています。
市販タイトルの場合、本編内容だけではなく、メニューの趣向も人気に大きな影響があり、こうした部分において、ビッツが業界に先駆けて開発した手法が多く活かされています。例をあげれば、マルチ動画メニューやチマルチ動画メニューやチャプターメニュー、本編の該当個所を部分的に呼び出して本編とは独立したテロップを加えたキャラクター/シーン/映画タイトルに付加する用語辞書紹介(これによって多くの登場人物の相関図やことばなどを説明して、ストーリーの理解に大きく効果を挙げています)などがそれです。
また今後増加が予想されているPCでの視聴に対応して、リモコンに依存せずマウスで操作できる画面内ナビゲーションにも積極的に優れた操作インタフェースを追求しています。
映像情報源としての映像ライブラリタイトルの場合、DVDプレーヤに接続したPC側でさらに多機能な呼び出しプログラムを使い、 DVDプレーヤのディスプレイに検索結果の映像を映し出す仕組みも、常設展示映像資料システムなどとして好評だといいます 。
なお、こうした複雑なメニュー構造を作り込む場合、いたずらに多機能を使うのではなく、誰がどこで何のために使うのか を十分に意識してナビゲーション構造を設計することが優れたタイトル企画の必須条件になります。こうした点は長年にわたる映像制作のノウハウが非常に役に立つのだそうです。
(*1)ビッツでは、イベント企画・運営や技術スタッフ派遣、また映像ライブラリの提供なども行なっている。タイトルソフトの企画・制作においては、 プランニングから完パケ・量産までの業務をフルラインで提供(OneStopShopping)し、どの工程からでも自由に発注でき、さらには制作タイトルの運用サポートも提供している。
取材日:1998年8月
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