九州大学の学内ネットワークのような大規模なネットワークを管理する場合、まずネットワーク機器の多さとその接続の複雑さが問題になります。
ネットワークの構成図を作成するだけでも大変です。通常は手作業でネットワーク図を描いたりするわけですが、各機器の設定を確認しつつ作らなければならず、非常に手間がかかります。
しかしINDを使うと指定したネットワークの機器を走査し、図1のように自動的にネットワーク地図を作成してくれます (注1)。
ルータやスイッチングハブのような重要な機器以外の端末は自動的にまとめて表示されるため、見通しのよい地図になっています。
もちろん、まとめられている部分も必要に応じて展開表示する事ができます。

図1: INDによるネットワーク地図
また、INDは定期的に各機器から情報を収集しており、ネットワーク過負荷や機器の停止などのさまざまな管理項目について、ネットワーク地図上に状況を表示する事が可能です。
例えば、過負荷な経路を赤い線で表示したり、停止した機器を赤い丸で囲んだりしてくれます。
これにより、ネットワークの状況が一目瞭然となり、何かトラブルが発生した場合にも迅速に対応が可能になります。
各機器のネットワークインターフェイスを通過したトラフィックやパケット数なども記録されており、図2のように表示する事ができます。
利用者からネットワークの不調を訴えられた時などに、過去に遡って流量の記録を調べる事が可能です。

図2:箱崎FDDIループ出口ルータを通過したトラフィック総量のグラフ
INDは多くのネットワーク機器が対応している業界標準のSNMP (注2)というプロトコルでほとんどの管理情報を集めるようになっており、使用しているネットワーク機器のメーカーを選びません。
基本的には管理したいアドレスの範囲を指定するだけで、あとは全自動で情報を収集してくれます。
本学のネットワークでも、使用している機器は1 つの企業の物に統一されているわけではありませんから、この点は非常に重要と言えます。
SNMPに応答しないようなハブがあっても、自動的に周辺の情報からネットワーク構成を推測して図にしてくれます (注3)。
ユーザインターフェイスはJavaを活用したウェブブラウザベースで、特別なツールを必要としないのも特徴です。
一般の利用者に公開しているわけではありませんが、管理者としても通常のブラウザがあれば使えるというのは非常に助かります。
現在は、情報基盤センター内に設置されている機器、および箱崎キャンパス内のFDDI バックボーンの機器を監視対象として運用しています。
状況に応じて、問題のあるネットワークの詳細な調査を行う際などには監視範囲を拡大して運用する予定です。
ギガビット級ネットワークが導入されるとさらに機器が増えますので、INDの活躍する場面も増えてくるものと思います。