MesoDynは、混合ポリマーや融解ポリマー等の複雑な流体をメソスケールで動力学的シミュレーションを行うプログラムです。このプログラムは、工業的に重要なメソスケールでの構造や動力学を解明するためのアルゴリズムで、広く文献や企業レベルで認められています。メソスケールでの構造は、バルクでの物性を決定的に左右します。系のダイナミックスは、Langevin関数によって求められ、これは、構成密度を系のノイズを考慮に入れて計算する拡散方程式です。均一な混合物の初期構造からスタートし、構成密度の時間発展を数値計算によって求めます。通常は、100-1000nm程度の立方体の周期的境界条件の基で計算されます。
分子間力が十分に阻害されていれば偏析(demixing)により達成される自由エネルギーの最小値を探します。系を粗粒子化することは、ポリマー鎖をGaussian鎖と同じ応答関数で表現することを意味し、実効外部ポテンシャルによって系の非理想状態を考慮に入れます。ポテンシャルの大きさは、系を構成する様々な二成分Flory-Huggins相互作用パラメータで決定されます。静電効果は、Flory-Hugginsパラメータによって表すことができますが、個々のビーズに対してチャージを入力することも出来ます。
系の構造とポテンシャルエネルギーは、ポテンシャル勾配とLangevinノイズの影響により時間と共に変化します。 ノイズ項は、系の自由エネルギー曲面にあるローカルミニマムから脱出するために重要です。自由エネルギーの時間発展を観察することによって系の平衡化過程を追跡することができます。層の分離度を定量化することによってオーダーパラメータも計算することができます。疑似動的アルゴリズムを算入することによって、シミュレーションを高速化し、静電パラメータを直接組み込むことによって、MesoDynで計算できる系の範囲を大きく広げることができました。任意の制限(限界)を加えた設定機能(例:球の配列、平面状の壁、楔)によって、Materials Studio上で、限界のある系を計算することが出来ます。ユーザは密度場の無い状態において制約条件を初めて表示することが可能になりました。
活用分野に最適なMaterials Studio製品をご紹介
お気軽にお問い合わせください
受付時間 9:00-17:30(土・日・祝除く)