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Users' Cases MS Modeling
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学生が短期間で使えるやさしいインターフェースの MS CASTEP。計算を取り入れることで、探索的な実験の回数を省力化し、材 料研究の生産性向上を目指す。
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龍谷大学 理工学部 物質化学科 和田研究室
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過去のデ−タベ−スを生かして材料設計的観点を入れながら、効率的に新物質の創成を行う。固体化学実験の手法に加えて計算化学的な手法も併用し、無機材料の結晶構造と電子構造、ならびにそこから出現する材料物性との関係について研究している。
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所在地 |
:〒520-0094 滋賀県大津市瀬田大江町横谷1−5 |
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Webサイト |
:http://www.rikou.ryukoku.ac.jp |
和田研究室では、「Materials Studio CASTEP(以下、MS CASTEP)」を導入し、研究室の学生がメインで使用している。その運用状況について、和田 隆博 教授に伺った。
■使いやすいインターフェース
「MS CASTEPは、研究室の研究開発活動で使っています。太陽電池の研究と、環境に対してやさしい、鉛などの有害物質を含まない機能材料の開発に使っています。」
「学生が使うことをメインに考えていましたので、短期間で使えるようになることが必要でした。MS CASTEPは、Windows上で動くということと、ユーザーインターフェースが一番使いやすいということで導入を決めました。」
「最初は1ライセンスでしたが、使っていくうちに、これはかなり使えると感じ、8ライセンスにし、さらに16ライセンスに増やしていきました。現在は、博士研究員が1名、大学院生が1名、4年生が2名と、3年生2名が使い始めています。」
「UNIXワークステーションでなく、パソコンレベルのマシンで計算ができるので、ハードウェアにかける当初の設備投資は、それほど大きくありませんでした。」
■探索実験の省力化を目指す
「私は、今も実験がメインです。超伝導材料の研究や太陽電池の研究の中で、実験をする回数をなるべく少なく済むように、予測的なことは計算でできないかとと考え、いつか計算手法を取り入れたいと思っていました。」
「MS CASTEPは、第一原理を使っているので、全ての元素が扱え、重い元素でも計算できます。また、MS CASTEPが電子構造を予測するだけでなく、エンタルピーの予測をかなり高い精度でできるということが、我々が使う意味では大きいのです。熱力学のデータベースもありますが、複雑な化合物は、実験データがないものがほとんどです。それでいろいろと自由に化合物を変えて、トータルエナジーとして評価ができます。」
「実験結果に対する見通しを予測するところまでは、まだ十分に使いこなせてはいないのですが、実験結果を解釈する上で、筋道立てて論理的に考えることができるようになりました。今の段階では、計算により、経験的なことを理論的に裏付けるということが大きいと思います。」
■計算によりバックデータをとる
「研究成果を発表するためには、スピードが問われます。その過程では、間違いもあり、分析しても微妙なところが分からないこともあります。そのようなときに、MS CASTEPが役立ちます。計算してみると、非常にエネルギーが高く、そのような構造は出現しないだろうということが簡単に予測できるので、やめておこうということになります。このような使い方でも十分使えます。バックデータをとるという意味でも、いいツールです。」
「MS CASTEPは、簡単なモデルならすぐに計算できます。これからは、実験メインの研究者の間にも、このようなツールが広まっていくのではないでしょうか。」
■学生がメインの利用環境
「当研究室では、学生一人一人が別々のテーマを持って研究しています。そこでは、一人の専任者がクラスタで大規模に計算するのではなく、一人が1台ずつパソコンを使って、中規模の計算を実行しています。」
「実験と計算する学生の割合は、だいたい3対1です。4年生までは、計算の学生は計算、実験の学生は実験とセパレートしています。大学院生になると、実験も計算もバランスよく教育していますが、ウェイトのかけ方が非常に難しいですね。」
「今後も、やはり実験ははずせません。実験は、人の数が必要ですが、計算は、人の数には関わらないので効率化が容易です。今は、MS CASTEPが16、MS Visualizerが5ライセンスあるので、大体5人いれば、かなりの仕事ができます。今後、ハード面を充実させ、一人当たりの生産性をより高めていきたいと思っています。」
- ――MS CASTEPは計算モジュール、MS Visualizerはモデル構築と表示のユーザーインターフェースである。
■学生同士が操作を教えあい、スムーズに運用
「3年生が研究室に仮配属されたら、博士究員や大学院生がマンツーマンで教えています。簡単な計算を論文を読みながら訓練していきます。」
「実際にモデルを見ながら操作できるので、教えやすいです。使いやすいということもありますね。計算なら、少し知識をつければ、1、2ヶ月で使えるようになります。」(修士課程 前田氏)
「新しいバージョンについては、トレーニングに行き、そこで勉強してきます。全体的な使い方や、新機能でどういうことが出来るのかがわかります。それを研究室で教え合います。」(博士研究員 繁實氏)
■より実験と計算を密着させてゆく
「今後は、もっと実験と計算を密着させていきたいと思っています。そして、実験で求められないようなものを、計算を使った理論の方から予測する。実験ではなかなか難しいものも理論的には簡単であったり、実験で簡単に求められることが理論では難しいことがありますので、それを組み合わせながら研究を進めていきたいと思います。」
「今のところ、実験の論文と理論の論文とにセパレートしていますが、有機化学の分野では、実験の論文の中に理論が入ったものが増えてきていると聞きます。固体化学や材料科学の分野でも、実験論文の中に計算による理論が入ってくることが、あたりまえのようになるのではないかと思います。これから、そのような論文を増やしていきたいと思います。」
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●研究室での運用状況
和田教授「研究室では、学生が中心に使っています。前田君がシステムの立ち上げを行いました。」
- ――MS Modelingの良い点は?
前田氏「構造の最適化ができるのが、とても大きいです。インタフェースが使いやすいので、簡単にモデルを作成できます。実験でもX線のパターンを予測しますが、MS Modelingの方がビジュアルで確認できるので便利です。」
和田教授「博士研究員の繁實君は、2003年の4月から研究室に参加しています。彼は、DV−Xα分子軌道法を用いたクラスター計算で博士号を取得しました。彼にもバンド計算をやってもらっています。」
繁實氏「分子軌道計算とMS CASTEPでの計算は、違いがありました。固体の知識はあまり持ち合わせていませんでしたから、バンド計算を行うにあたり、戸惑いはありました。これまで行っていた錯体分子のクラスター計算では、局所構造のモデルで十分なので点群の知識だけで十分でしたが、固体では周期構造の計算をする必要があり、空間群の知識が必要になりました。MS Visualizerには、空間群のデータが入っていますので、たいした知識が無くても、空間群のテーブルと照らし合わせてチェックをしながら、比較的簡単にモデルの設計をする事ができました。」
繁實氏「非鉛系強誘電体材料における相の安定性の研究では、一つの物質について、高温から低温にかけて微妙に構造が変化する多形構造のモデルを組み立てていきます。そのとき、空間群の実験データがあっても、うまくモデルを組み立てられないものもあります。このような場合、MS Visualizerを用いると視覚的に確認しながらモデルの作成が出来るので、とても役に立ちます。」
和田教授「空間群など結晶構造の知識については、学部のときからかなり訓練しています。モデルさえ作ることが出来れば、ユーザーフレンドリーなインターフェースから、電子構造やトータルエナジーの計算ができるところが非常に優れていると思います。」
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