ユーザー事例パンフレット
3拠点にまたがる開発プロジェクトのあらゆるデータを体系化して一元管理。必要な情報が即座に得られ、メンバー間のコミュニケーションも加速。
三菱重工業株式会社では、3拠点にまたがって開発を進める『プラズマCVD装置開発プロジェクト』におけるナレッジマネジメントツールとして、SpaceFinderを2002年10月に導入。各種情報を関連付けて一元管理し、情報の有効活用とメンバー間のコラボレーション促進を実現している。その運用状況、導入効果等を、先進技術研究センターの佐竹 宏次 氏と茂中 俊明氏にお伺いした。
技術本部
先進技術研究センター
先進機械システムグループ
主席研究員
佐竹 宏次 氏
佐竹氏:SpaceFinderは、『プラズマCVD装置開発プロジェクト』用に、2002年10月に導入しました。ナレッジマネジメントツールの導入は、これが初めてです。このプロジェクトには、先進技術研究センター(以下、先進研)のほか、高砂研究所と神戸造船所の技術者が携わります。プロジェクトメンバーが3拠点にまたがるのは初めてなので、効率的に開発を進めるためにはSpaceFinderのようなツールが必要ではないかという意見が、2002年4月のスタート時からありました。
技術本部
先進技術研究センター
応用物理グループ
主任 理学博士
茂中 俊明 氏
茂中氏:ナレッジマネジメントシステムについては、3年ほど前に自社開発したことがありますが、定着するには至りませんでした。一般的には、各種データはWindowsのフォルダに分類して管理し、全社標準となっているグループウェアのメール機能を使ってやりとりしていますが、このプロジェクトに関しては、すべて、SpaceFinderで行っています。
SpaceFinderは、ドラッグ&ドロップのシンプルな操作で、研究開発にかかわるあらゆる情報を簡単に出し入れできる。データベース構造は各セクションの業務フローにあわせて自由に設定できるので、業務の流れに沿って自然に情報を蓄積・活用できる。
佐竹氏:現在、先進研、高砂研、神戸あわせて約40人が活用しています。セクションを大きく先進研(実験チーム)、先進研(解析チーム)、高砂、神戸に分け、さらに各プロジェクトメンバーのデータベースを作成してあります。メンバーには各自のデータベースにデータを登録してもらい、共通で使うデータについては、リンクやリファレンスを設定して、体系的なデータベース構造に組み入れています。実験の条件や時系列での詳細な実験結果など、プロジェクトのすべてのデータがSpaceFinderに登録され、それらが全て関連付けて整理されています。それぞれにコメントを付けられますので、暗黙知を形式化し、ナレッジの管理に活用できるのでは、という狙いもあります。
SpaceFinderは、あるCADモデルとその解析結果など、データ単位で相互の親子・孫関係付けることで、情報を構造化することができる。また、リンク、リファレンス機能により、一つのデータを複製を作ることなく異なるデータベース構造に組み込むことで、部門をまたがって情報を有効活用できる。
佐竹氏:SpaceFinderを導入した大きな目的の一つに、日報の改善がありました。先進研の実証実験グループが日々の成果をまとめて、プロジェクト全体に日報として配信しています。その成果に対し、解析グループ、設計グループなど、全員がフォローしながら意見交換をすることで、プロジェクトの日々の運営が行われています。以前はグループウェアのメールで日報を配信していましたが、写真や各種データが添付されるのでデータ量が大きくなり、快適に参照することができませんでした。また、全ての情報が一元管理されていませんでしたから、結果に至る経緯を見ようとすると、別のPCに入っているデータを見なければならないというように、非常に手間がかかりました。SpaceFinderのメール機能では、実データを添付するのではなく、参照してほしいデータの所在をリファレンスとして設定します。受信者は、リファレンスをクリックするだけで必要な情報はすべて入手できます。情報の取得のしやすさ、共有の度合いは、以前とは比べものにならないくらい高まっています。これにより、3拠点にまたがって効率よく開発を行っています。
2007年2月、SpaceFinderの導入とともにシステム設計がスタートし、2007年8月に開発支援システムが稼働を開始した。このシステムはASSYSTと命名。その機能開発や保守運用を、香山氏が一手に担っている。
三菱重工業株式会社
取材日:2003年5月6日
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