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組織横断の交流により、新発想製品を創出、開発をスピードアップ

アロン化成株式会社

アロン化成株式会社

開発にかかわる人員が共通の土俵で仕事ができる情報基盤としてSpaceFinderを活用。製品の主流が複合体に移行する中、組織横断の交流による新発想製品の創出・開発スピードアップを図る。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

管材・介護用品・原材料などの幅広い事業を展開しているアロン化成では、近年、単純成形から複数素材の複合体に製品の主流が変化し、それと共に、開発スピードが低下していた。この課題に対応するために、事業部縦割りの開発体制を見直し、新たに創設した『ものづくりセンター』に開発人員を集約。製品・組織を横断したコミュニケーションで新しいアイディアを生み出すとともに、人員の柔軟な重点配置も可能にしている。いろいろな部門から集まった人が同じ土俵で仕事をするためには、共通の情報基盤が必要。そこで活用されているのがSpaceFinderである。

ものづくりセンター設立の狙い

製品開発にかかわる人員を集約し、組織横断の交流による開発力強化と開発スピードアップを図

安井 敬之 氏

ものづくりセンター長 取締役
安井 敬之 氏

安井氏当社は、日本で初めて硬質塩化ビニル管を製造し、さらに、塩ビ製マンホールや折りたたみ式シャワーベンチ、分別ペールなど、業界に先駆けた製品を開発してまいりました。しかし近年、単純成形品からゴム・木材・金属等の素材を組み合わせた複合体に製品の主流が変化し、それと共に、製品開発スピードが低下していたのです。

トップ・現場双方の危機感から、2008年に『ものづくりパワーアッププロジェクト』が発足。試行錯誤や議論を重ねた結果、拠点に分散していた人員を集約し、一体運営を行うことになった。
片山 隆 氏

ものづくりセンター 次長
片山 隆 氏

片山氏これだけ変化の激しい時代ですから、縦割り組織では新しい発想は生まれません。例えば管材の開発に介護用品側からアイディアを出すことで新しい市場が拓けたりします。また、これまで慣れていない素材について別の担当者が知識を持っていることもあります。いろいろな人が同じ場所で仕事をすることで、気軽な質問やふとした会話からアイディアが生まれ、素早い市場の変化に対応して製品の枝葉を広げていけるようにしたいと考えたのです。

片山氏も中心メンバーに加わっていたプロジェクトチームが主体となって、『ものづくりセンター』の構想を練り上げた。そして、2011年11月に開設。製品開発から量産移行までを一気通貫で行えるアロン化成の中枢拠点である。

片山氏『ものづくりセンター』は、いろいろな部署が意見を出し合って、自分達で建てたという意識があります。執務室の廊下をなくして人が出会えるレイアウトにしたり、斜めの壁にすることでアイディアが出やすい部屋の形にしたり。新分野を生み出すための組織横断型のワーキングチームを立ち上げて、サークル活動も行っています。全員が1箇所にいることで、事業戦略に対応し、柔軟に担当を変更できるのもセンター化の目的です。

ものづくりセンター執務室

ものづくりセンター執務室
製品開発にかかわる人員がここに結集。「30メートル理論」を取り入れて設計され、メンバーがすぐに会って議論ができるオフィス空間。

導入の経緯

いろいろな人が共通の土俵に立って仕事をするために、共通の情報基盤が必要

ものづくりセンター』開設から約1年半が経過した2013年4月、SpaceFinderが導入された。多様な人が集まるセンターだからこそ共通の情報基盤が必要、と安井氏は強調する。

安井氏いろいろな部門から人が集まってきていますから、まず言葉から違いますし、同じ言葉でも取り方が違います。しかし、情報を共通化して見せる取り組みをしていくことで、言葉を共有化していくことができます。また、例えば進捗状況を部門の都合のいいように解釈していたり、担当者同士のやりとりになり上長が実際の工程を見えていない面もありました。それぞれの部門が持っている情報だけで会議をするので納期の食い違いが結構激しくなり、結果として上市が遅れることもあります。また、開発担当は1年以上前に次の部門に引き継いだ案件でも発売されるまでは管理しなければなりません。 ですから、一つのシステムで全員が同じ情報を見ていく必要があるのです。

川村 満夫 氏

ものづくりセンター 製品設計部
設計グループ グループリーダー
川村 満夫 氏

川村氏SpaceFinderの選定理由は開発ステップの見える化ができ、さらに、自分達で自由に変更できるという点です。『ものづくりセンター』になって管材や介護用品を統合したことで、開発ステップが劇的に変わりましたし、開発のやり方自体もどんどん変わっています。その変化にいかに対応していくかがポイント。開発期間をいかに縮めるかということが求められていますので。

運用状況

開発案件も成果物も、全員が同じ情報を見られる。さらに、工程の進捗もリアルタイムに追える

3ヶ月のテスト期間を経て、2013年7月に介護用品から本運用を開始。2013年末までに管材まで広げる計画であり、約120人がSpaceFinderを活用する予定である。

川村氏SpaceFinderでは、開発案件の見える化と成果物の蓄積・共有を行っています。管材と介護用品で、年間30~40の開発案件が発生し、案件毎に『開発ステップ管理シート』を起票します。このシート上で、案件情報を共有化すると共に、共通文書の登録・保管と、工程・進捗管理を行っています。開発工程は、製品分野やテーマ区分(新規/仕様変更等)で異なりますが、その内容に合わせてワンクリックで工程名を切り替えることができます。さらに、それぞれの工程から『承認依頼書』という帳票を起票します。

アロン化成では、開発成果物を、①ISOで定めた『アウトプット文書』、②ISOで定めていないが作成を義務付けている『非アウトプット文書』、③工程管理標準で定めた各工程毎に作成する資料、という3つの区分で管理。①と②が『開発ステップ管理シート』で一元管理され、③は『承認依頼書』で管理されている。

検索性向上と自動版管理で、過去データ活用が促進。変更履歴を追えるので、無断変更も防止

以前は資料の保管場所に明確な決まりがなく、データが個人持ちになっていたり、ファイルサーバのどこにあるかがわからず辿り着けないという問題があった。

川村氏製品企画段階では、過去の製品がどのような経緯で開発されたかを知るのに当時の資料が必要になりますし、設計者は過去のトラブルを参照します。特に担当者が変わった場合、過去に先輩が行った失敗を同じように繰り返しますので、そういうところを早く気づくためのツールとしてSpaceFinderが活用できます。

松田 元 氏

ものづくりセンター 製品設計部
設計グループ
松田 元 氏

松田氏データは残っていても、どれが正しいのかがわからないという問題もありました。作りかけのデータがあったり、最終データにその2・その3があったりして、過去のデータが十分に活用できませんでした。特に新人や担当が変わった場合は、誰に聞けばいいかもわからない状況でした。今はSpaceFinderで版管理もできており、常に最新版が見えるので、その効果は大きいです。

SpaceFinder導入により、資料が確実に蓄積し検索性も飛躍的に向上。人員の柔軟な異動を行う上で、過去データが誰でも簡単に検索できることは大きな武器だ。一方、SpaceFinderによる成果物のけじめと履歴管理は、手戻り削減・開発納期遵守にも効果をあげている。

川村氏以前は、開発が進むにつれて担当者の欲が出てきて、後から仕様を追加したために、検討し直しで手戻りになっていました。資料が個人管理になっており、担当者が承認を経ずに後から勝手に変えることができたのです。今は、計画をしっかり立てて、その時に決めたことを全員で共有でき、変更履歴も追いかけられますので、このような事態は防止できています。

進捗集計作業が大幅に軽減。集計サイクルを週毎に短縮し、進捗遅れへの早期対策を実現

開発進捗の見える化はSpaceFinderの導入目的の一つ。今どこに比重がかかっているのかを見える化することで、的確な人員配置が可能になる。

川村氏SpaceFinderから取り出したデータをExcelに展開し、すべての案件がどこまで進んでいるのかを一覧で見られるようにしています。(下図「工程表」参照)日程は工程別に色分けされ、予定と実績のズレがひと目でわかります。SpaceFinder導入前は進捗を担当者に確認し、手作業で作成していたので、大変工数がかかっていましたが、今は数分間で作成できます。

従来は、それぞれの部署で工程表をもっていたり、担当者によって認識が違うこともあったが、SpaceFinderで工程管理を一元化し、客観的なデータで見える化することで、認識を共通化。

片山氏以前は月1回の進捗集計が精一杯でしたので、遅延への対策が2~3週間遅れてしまいました。今は週に1回、リアルタイムの情報が出てきますので、その週のうちにズレを修正でき、たいへん役立ちます。やっぱり、リアルタイムというのはいいですね。承認フローを組んで上司が確実に承認しているので、情報の精度も向上しています。いつ誰がどこで承認したかを明確にすることは、ISOの流れとしても非常に良いです。

お客さまプロフィール
アロン化成株式会社
本社 東京都港区西新橋2丁目8番6号 東京都港区西新橋2丁目8番6号
資本金 42億2,000万円
事業内容 1951年9月に日本で初めて硬質塩化ビニル管の試作に成功。今は一般的となった塩ビ製マンホールや分別ペールなど、創業以来の伝統である開発力を武器に、社会のニーズを先取りした製品を開発・提供している。「われわれの知恵と力で豊かな生活・環境を創造し、社会に貢献しよう」という経営理念のもと、強みである「製品開発力」「プラスチック加工技術」「市場開拓力」に磨きをかけ、存在感のある開発提案型企業を目指している。
アロン化成株式会社 ものづくりセンター

ものづくりセンター

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