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Notesをリプレースし過去の情報資産をフル活用。業務効率も改善

ダイキン工業株式会社

化学研究開発部門

ダイキン工業株式会社 化学研究開発部門

付加価値を生まないバージョンアップのたびに構築が必要なNotesに別れを告げ、SpaceFinderにリプレース。過去に蓄積した情報資産をフル活用でき、ワークフロー強化や検索性向上で業務効率も改善。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

空調メーカーとして知られているダイキン工業が、フッ素化学製品でも世界トップクラスの実績があることはご存知だろうか?その最先端の製品を生み出し続けている『化学研究開発部門』は、ナレッジマネジメントを主目的として2001年にNotesを導入し、幅広く利用してきた。しかし、Notesは上位互換性がなく、バージョンアップのたびに新規構築と同様のコストが発生する。同部門は、このような状況から脱却し、さらに付加価値アップを目指して、NotesをSpaceFinderにリプレース。2015年3月に移行が完了した。

導入前の課題

付加価値を生まないバージョンアップに膨大な構築費用が生じるNotesを使い続けるのは困難

松村 泰成

化学研究開発センター
研究管理グループ
松村 泰成

松村当部門が利用していたNotes R5は2005年にサポートが終了したのですが、その頃、Notesには上位互換性がなく、バージョンアップするには新規構築と同様の費用がかかることがわかりました。構築当初は約30種だったDBが約190種に増えていたため、移行費用はさらに膨れ上がることも想定されました。しかも、今回バージョン移行を行っても、将来また同じ事が起きる可能性があります。そのため、Notesを使い続けるのは難しいと考えていました。

2015年にはNotesサーバOSのサポート終了が予定され、Notes移行は避けられないテーマとなっていた。対応模索中の2009年、ダイキン工業は情報セキュリティの取り組みを強化。技術情報管理基盤としてSpaceFinderを導入推進する方針が打ち出された。

松村単なるバージョン移行では付加価値は生まれませんが、SpaceFinderでは上位互換性が保証されているうえ、ワークフローや検索性強化が見込めました。Notesでは、本来の担当者とは違う人が作業を行ってしまったり、承認権限のない人でもタスクを承認できてしまうといった問題がありましたし、データが消えてしまったり、ワークフローが動かなくなることもありましたので、SpaceFinderへの移行により、業務効率化も図れると考えました。

システム移行

慣れ親しんだNotesと違和感のない帳票を簡単に作成でき、帳票/ワークフローの機能強化も実現

2012年にSpaceFinderが導入され、NotesサーバOSのサポートが終了になる2015年をターゲットに移行プロジェクトがスタートした。

松村移行プロセスとして、まず2012年11月から翌年2月にかけてDBの現状調査を行いました。移行する/しないを精査し、約190のうち73のDBを移行することになりました。その後、移行対象DBの管理者と個々に打ち合わせを行い、帳票デザインや操作性等を詰めていきました。そして、SpaceFinderでDBを設計し、システムを構築。その後、Notesからデータを書き出してSpaceFinderにインポートしました。

大谷 誠一郎

化学研究開発センター
研究管理グループ 主任研究員
大谷 誠一郎

2012年度は皆が共通で利用する『必須DB群』を移行。2013年度は各グループやプロジェクトの個別DB、2014年度は研究管理グループのDB群やポータル画面を移行。2015年4月にNotesサーバが停止し、移行プロジェクトが完了した。

松村各グループのDBを構築する際に、まず、多くのDBを持っている特定の管理者と打ち合わせを行い、DB作成のモデルケースにしました。これでノウハウを蓄積でき、後々の作業に活かすことができました。

移行後の帳票はNotes帳票とデザインを揃え、Notesに親しんだユーザーに違和感のない操作性を提供。SpaceFinderではデザイナツールが標準装備され、コンポーネントのドラッグ&ドロップにより簡単に帳票・ワークフローを作成できる。タスク毎の帳票入力/編集制限等の設定も画面を確認しながら簡単に行える。

運用状況

ワークフロー性能向上でトラブル解消。Notes未適用だった紙帳票の電子化が進み業務が効率化

現在、研究員全員とスタッフ部門が幅広い業務でSpaceFinderを利用している。その中から、いくつかの帳票をピックアップし、運用状況をお聞きした。
鳥前 洋

化学研究開発センター
研究管理グループ
鳥前 洋

鳥前まず、お客様にサンプル品を出荷する場合等に使用する『特殊化学品出荷伺書』をご紹介します。複数の承認者を経由して決裁者に回るのですが、『特殊化学品』は品目によって、承認者や決裁者が異なります。Notesではそれらを手入力していたのですが、今回、『決裁の種類』をプルダウンで選択することで、承認者と決裁者が自動でセットされるようにしました。また、出荷先の国内/海外選択を必須化し、さらに海外を選択した場合は出荷先の国名も必須に切り替わるようになっています。こういった改善により、ミスや記入漏れと、それに伴う手戻りを防止しています。

松村ワークフローが完了して出荷した後に、お客様の評価結果を記録できるように、『特殊化学品出荷伺書』から『出荷先評価』帳票を起票できるようになっています。

並列タスクフローやエラーチェック機能で、決裁完了までの日数が約4割に短縮

鳥前『外注試作依頼書』は複数の部署を経由し、しかも拠点間で紙書類が行き来するため、決裁までに平均で11日以上かかっていました。紙帳票では進捗が見えませんから、試作を急ぐ研究者のストレスの種にもなっており、電子化を望む声が多数出ていました。また、記載ミスや添付書類漏れ、旧書式を使ったことなどによる差し戻しや回覧審議中の所在不明も発生し、その確認にも多くの工数がかかっていました。今は記載漏れやファイル添付漏れを担当者の申請段階で防止でき、差戻し等による手戻り防止に役立っています。さらに、紙では無理だった複数協議者による並列審議も実現。その結果、決裁完了迄の日数は4~5日程度に短縮されています。

以前は、終盤に来ての差し戻しを減らすために研究管理グループにて事前チェックを行ったり、書類が届いたか、どこまで進んでいるかの確認を行っていた。「この作業が不要になったことが、個人的には一番助かりました」と鳥前は語る。

図書購入依頼受付の手作業がほぼゼロに

秦 典代

化学研究開発センター
研究管理グループ
秦 典代

図書室に所蔵していない本の購入依頼の受付に『図書購入』帳票を使います。依頼者が起票すると自動でリスト化され、ステータスも色分け表示されるので、状況を即座に視覚的に把握できます。Notesでは手入力や印刷作業があったのですが、今はすべてペーパーレスで自動化され、業務効率化が図れています。

鳥前先程ご紹介した『外注試作依頼書』や『図書購入』のように、従来は紙で運用していた帳票を電子化できたのは効果がありました。まだまだ紙で運用している帳票がありますし、研究者からの要望も貰っていますので、優先順位とタイミングをみて電子化を進めていきたいと思います。

お客さまプロフィール
ダイキン工業株式会社 化学研究開発部門
所在地 大阪府摂津市西一津屋1番1号
事業内容 1933年に日本で初めてフッ素系冷媒の研究に着手。以来、研究開発から用途開発に至るまでを一貫して行い、ガス、樹脂、ゴムなど、1800種類以上のフッ素化学製品を生み出しているメーカー。フッ素化学分野を世界規模で牽引し、常に新しい価値を提供し続けている。
  • 記載されている製品名、会社名は各社の商標もしくは登録商標です。

この事例で適用されているソリューション

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