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障害情報と対応状況をリアルタイムに共有し迅速に対応

ローレルバンクマシン株式会社

ローレルバンクマシン株式会社

障害情報と対応状況をリアルタイムに共有。重要度を判別し迅速に対応することで製品を早期安定化。さらに、設計フィードバックによる品質向上、仕様変更案件の進捗の見える化と採算性の向上へ。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

通貨処理機のパイオニア、ローレルバンクマシンは、金融向け製品からスタートし、流通・レジャー・病院等、幅広い業界のニーズに対応してラインナップを拡大。顧客ニーズに積極的に応える製品創りを行っている。その一方、開発案件の増加が技術者の負担増を招き、製品の品質確保が経営課題となっていた。2009年、「見える化」による対策を開始。まず障害管理を強化し、製品の早期安定化と設計品質向上を推進。そして2012年4月には、仕様変更案件の進捗見える化と採算性向上に向けた取り組みが始まった。その情報基盤としてSpaceFinderが活用されている。

導入前の問題点:

開発案件の増加で技術者の負担増が慢性化。品質の早期安定化には開発プロセス改善が必要

齋藤 眞三 氏

営業統括本部
営業企画統括 担当部長
兼 開発生産本部 担当部長
齋藤 眞三 氏

齋藤氏当社では製品ラインナップ拡大と仕様変更案件の増加が続き、近年では年間百数十件の開発案件が発生するようになっています。その結果、技術者は複数の案件を抱え、負担が増す状況が慢性化していました。より高品質の製品をいち早くお客様に提供するためには、例えば、前機種の情報を次機種の開発にフィードバックする、技術者の時間と開発進捗を見える化する、仕事のムダをなくし業務を効率化する、といった対策が必要だと考えました。

当社セミナーに参加した齋藤氏は、プロセス改革の必要性を実感。技術者の負担増を懸念していた経営層とも目指す方向性は合致した。

立ち上げまでの動き

まず少数のメンバーで仕様を詳細に検討。骨格を固めてから段階的に広げる

検討の結果、2009年1月にSpaceFinderが導入された。2010年11月に『障害管理システム』を立ち上げ、2012年4月には『仕様変更要望管理システム』を運用開始。全社規模で、順調に適用領域を拡大している、その秘訣をお聞きした。
梶山 公夫 氏

営業企画統括部
営業技術部 次長
梶山 公夫 氏

梶山氏最初は、既に手順が確定している業務をシステム化し、さらに改善も加えるというスタンスで取り組みました。また、構築に際し、関連部門への説明を、課長レベル、課員レベルの順に行う等、段階的に社内に広げていくほうが、スムーズに進むと思います。

木村 哲夫 氏

開発生産本部
業務推進部 業務推進課
木村 哲夫 氏

木村氏関係部署からメンバーを選出し、それぞれの部署の立場で意見を出し合って仕様を決めました。初めからSpaceFinderを利用せず、まず表計算ソフトで電子帳票とワークフローのイメージ図を作成。それをもとにして、メンバーで議論を繰り返して骨格を固めてから実際にSpaceFinderにて電子帳票を作成。レイアウト決定後に、関連部門に説明会を実施しました。

『障害管理システム』の運用状況と効果

障害対応状況を全員で見える化し、遅延防止/対応迅速化に活用、設計基準/評価項目に反映

従来、文書ファイルと紙書類にて障害管理を行っていたが、障害内容や対策状況がすぐに見れない、過去の事例を参照するのに時間がかかる、調査品のログデータを障害報告書と組み合わせて管理できない等の問題があった。それらを解決すべく、そのシステム化が実施された。
中山 雅博 氏

開発生産本部
品質保証一部 品質保証1課
中山 雅博 氏

木村氏今回の『障害管理システム』では、従来の書式を電子帳票化。サービス拠点での障害受付から対応の切り分け、原因調査、報告までがワークフローに沿って運用されています。その間の情報は自動メール発信で連絡。海外の代理店から報告された障害も社内の海外担当部門が登録することで、一元管理しています。

操作ログデータの添付欄を設ける、また、進捗に応じて部門毎の専用欄を追加していくなど、実運用で求められる機能も実装。利用者に対し、障害情報を正確、かつ、適時に提供することが重要と木村氏は語る。

関連業務も含めて障害対応を一元管理

さらに、従来、統一した書式がなくバラバラに管理されていた関連業務も電子帳票化し、SpaceFinderの特長である帳票連携機能を使って統合的に運用。障害対応業務の一元管理を実現している。

木村氏『障害報告書』の右上のボタンを押すと、『調査品・代替品管理帳票』が起動。その際、調査依頼内容等は『障害報告書』から自動転記されます。この電子帳票により、サービス拠点、品証、営業技術間での調査品や代替品の送付履歴が誰でもわかるようになりました。「調査品の所在が分からない」というようなトラブルの解消に役立っています。『情報/資料管理帳票』は、障害対応の過程で設計変更連絡書や、開発から工場への仕様変更の指示書、全社的な障害の可能性がある場合に全国のサービスに発行される連絡書などの関連文書を一元管理。対応計画欄では、開発部門が回答するまでのスケジュールを管理しています。

上層部がリアルタイムに状況を確認

木村氏電子帳票一覧画面で、今どの機種で何件障害が発生しているか、対応中の案件、遅延している案件などがリアルタイムに確認できます。特に新製品の初期トラブルや主力製品については重点的にチェックしています。

障害情報を設計基準や評価項目に反映

田部井 博 氏

開発生産本部 業務推進部長
田部井 博 氏

田部井氏蓄積した障害情報を開発や品証部門が参照し、次機種開発の設計基準や評価項目に追加するといった活用も行われています。以前は、自分が担当した機種の情報だけがわかるといったクローズした世界だったのですが、今は全体を見渡せるようになり、他機種の情報が早くわかるようになりました。

障害の傾向を分析し次の製品開発に反映する。仕様変更要望が多い機能は、あらかじめ取り込んだ製品作りを行う。そうすることで、更に効果が高まると齋藤氏は語る。

『仕様変更要望管理』の狙い

仕様変更案件の進捗を見える化。さらに、開発コストと回収状況の一元管理で採算性向上を図る

2012年4月から『仕様変更要望管理システム』が全社で運用開始された。これまで、顧客要望にあわせた仕様変更案件は年間で約250件発生。件数が多い上に、開発期間が短い中で、案件ごとに納期と品質を守っていかなければならず、管理が大変だった。

木村氏仕様変更要望は、拠点から商品企画部に提出する依頼書、商品企画部から開発に依頼する要望書、開発からの見積り回答書、終了報告書という4種類の書類で運用していました。それらの重複箇所を削除して、1枚の電子帳票に集約。こちらもワークフローに乗せて運用します。

斎藤氏これまでの紙による管理では、案件毎の進捗が見えなかったので、それを一元管理して見える化しようというのがシステム化のそもそもの狙いでした。その後、開発費の回収率向上も重要な目的に浮上。開発費用や受注金額をそれぞれ別に管理しており、どの案件でどれだけ開発コストを回収できたのかが、なかなか見えていなかったのです。この『仕様変更要望管理システム』で、開発コストの内訳や回収状況等を見える化し、仕様変更案件の採算性向上につなげたいと考えています。

お客さまプロフィール
ローレルバンクマシン株式会社
本社 東京都港区虎ノ門1-1-2
資本金 1億5700万円
従業員 1,319名(2012年4月現在)
事業内容 通貨処理機の専門メーカー。1946年の創業以来、通貨処理業界のパイオニアとして、専門的な知識と高度な技術力は高く評価され、金融機関をはじめ、官公庁、流通業界、警備会社、病院、鉄道会社、娯楽レジャー施設など、幅広い業界で導入されている。顧客の声に真摯に耳を傾け、顧客それぞれに最適な製品やサービスの提供を目指している。また、いつでも何処でも安心して製品を利用できるよう、全国に90カ所の拠点を配置し、メンテナンスサポート体制を充実化している。
ローレルバンクマシン株式会社
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