ページの本文へ

製造業向けIT
  1. 製造業向けIT
  2. 導入事例
  3. 日本バイリーン株式会社

戦略と開発テーマの相関を可視化しステージゲートを効果的に運用

日本バイリーン株式会社

日本バイリーン株式会社

技術経営のための情報基盤を構築。戦略と開発テーマの相関を見える化し、市場性・優先度等を見極めた上でステージゲートプロセスを効果的・効率的に運用することで、高機能分野でのさらなる事業拡大を図る。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

不織布の国内トップメーカー、日本バイリーンは、リーマンショック後の事業構造変化やアジア圏の技術力アップ等を踏まえ、技術経営を強化。優れた原材料技術・豊富な製造プロセス・多様な加工法の複合化技術から生み出される高機能製品を「Engineering Fabrics」と名付けて、新製品開発を推進している。今回の事例では、同社の技術経営強化における情報基盤の必要性とSpaceFinderの活用法をご紹介する。

導入前の課題

ステージゲートプロセスを効果的・効率的に運用する上で、情報の分散・共有化不足が課題に

宮城 一彰 氏

経営企画部 部長
宮城 一彰 氏

宮城氏当社は、技術経営の推進手法としてステージゲートプロセスを導入し、テーマの選別や開発のスピードアップ、市場ニーズの取り込み等を行っています。しかし、従来は情報の一元管理ができていなかったため、重要戦略テーマ(個別戦略)と開発テーマの相関が不明瞭だったり、スケジュール管理が不十分で計画が遅れがち、過去の事例や研究結果を活用しにくい、等々の課題が表面化していました。

日本バイリーンでは、100件を超える開発テーマが常時進行している。それらの情報がメール・Excel等に分散し、入力漏れやフォーマットのバラつきも発生。過去事例や研究結果の確認にも時間がかかっていた。

田中 政尚 氏

産業資材事業部 技術本部
本部長
田中 政尚 氏

田中氏開発情報の共有化も課題でした。事業内容が多岐にわたるため、営業・技術間はもとより、技術部門内の情報共有も不十分。マスクと空調フィルタなど、分野は違っても同じ技術が活用できますし、パップ剤の技術を応用することで、伸びるスーツの芯地等の新製品も生まれます。時代の流れがますます速くなっており、これまで以上に部門間の結束が必要になっています。

選定理由

電子帳票の連携でデータを一元管理できる。カスタマイズの容易性や検索性も高評価

ステージゲートプロセスの運用検討段階で、運用を支援するITシステムの必要性も議論されていた。実際に運用が始まり、その必要性が明らかになった。そんな時にSpaceFinderを見た宮城氏は、「これは当社に合う」と直感した。
佐藤 和哉 氏

技術研究管理部
東京管理担当課長
佐藤 和哉 氏

宮城氏SpaceFinderにより、社内規定で定めている『開発計画書』を親帳票、『開発履歴書』・『品質展開表』を子帳票として電子化し、一元管理ができると思いました。Word、Excel、PDF、写真等を添付することで、開発に関連する各種情報も帳票上で管理できます。電子帳票やワークフローのカスタマイズが自社で容易に行えること、検索機能に優れ添付資料まで検索できることも選定理由でした。また、スケジュール管理がポイントでもあるので、期限接近や超過のアラートメールを配信できるのも有効だと考えました。


「技術に強い企業で導入実績がかなりある」ことも好印象。数回のデモを経てSpaceFinderの採用が決定。2013年12月に導入された。

運用状況

戦略と開発を一体で管理する情報基盤。優先度の見極めや戦略変更への対応等が的確に

小倉 七都子 氏

技術研究管理部 担当課長
小倉 七都子 氏

小倉氏2013年12月にトレーニングを受けて、電子帳票作成に着手。翌年2月に最終版まで持っていき、進行中のテーマのデータを移行した上で、2014年4月に運用を開始しました。現在、経営層と技術部門を中心に140人以上が活用しています。


期末の多忙な時期にもかかわらず、約3ヶ月という短期間で立ち上げに成功。Accessでの帳票作成経験がある小倉氏は、「特に難しい点はありませんでした。むしろ、SpaceFinderの方がドラッグ&ドロップで作業できたり、帳票間のリンクも簡単に設定できるので構築しやすかったですね」と語る。

技術経営では戦略と開発プロセスが一体化すべき。その思想を体現したシステム

『個別戦略シート』で個別戦略の進捗と期限、過去の経緯を管理。『開発計画書』と『開発履歴書』で、ステージゲートプロセスにおける進捗と履歴、成果物を管理。それらが相互連係することで、戦略と開発の一体的な管理を実現している。
木村 文紀 氏

技術研究管理部 部長
木村 文紀 氏

木村氏情報基盤構築の背景には、「会議報告だけでは、技術部門の動きがリアルタイムに見えない」という経営層の声もありました。今は、どの開発テーマが、どの段階(調査段階・実験段階・製品化一歩手前等)にあるのかをいつでも確認でき、詳細な状況や戦略との関係もわかるようになっています。

「技術経営という枠組みの中で、戦略と開発プロセスが一体化すべき」と語る宮城氏。

田中氏技術者は自分の担当しているテーマが、個別戦略のどこを担っているのかを見ることができます。これにより、モチベーションが高まりますし、経営者の目線に立って仕事をすることもできます。

人事部門も、誰がどのようなテーマを担当しているのかを参照できる。「こういう様に情報がまとまれば、キャリアアップ等の人事面での活用も可能。そういった効果も期待しています」と宮城氏は語る。

個別戦略の状況や経緯を一元管理。さらに、開発テーマとの相関も見える化

日本バイリーンは、中期事業計画遂行のために数十件の個別戦略を策定し、四半期毎に経営層と各戦略の責任者が進捗状況をレビュー。その管理を『個別戦略シート』で行っている。

宮城氏『個別戦略シート』には、目標/ターゲットやビジョン/中計との関連等が明記され、アクションプランに落とし込みます。四半期毎に担当部門が現状の評価と次のステップを記入し、評価項目を自己採点。採点結果は緑・黄・赤の3色でシグナル表示されます。レビューの場では、赤や黄色の戦略について重点的に議論。過去のレビュー内容も時系列で参照できます。市場や競争相手の動き、新規戦略の追加によるリソース調整等、様々な理由で計画が変更になることがよくありますが、その場合でも、オリジナルの戦略や過去の変更経緯を追えるようにしています。

戦略レビューの場で、個別戦略に関連する『開発計画書』をワンクリックで表示。詳しい開発状況を共有した上で戦略判断が可能になった。戦略変更があった場合でも、確実に開発テーマに反映することができる。

田中氏ステージゲートプロセスの最終目標は、開発テーマを中期事業計画の達成や経営課題の解決に貢献させること。その点、個々の開発テーマの貢献度が明確化されるようになったのも、SpaceFinderの導入効果の一つです。

ステージゲートプロセスの効果的・効率的運用を実現。分野をクロスした新製品も誕生

ステージゲートプロセスを管理するのが『開発計画書』。開発履歴と成果物を一元管理し、期限管理とゲート移行判定を厳格化。情報の分散が解消され、ステージゲートプロセスの効果的・効率的運用を実現している。

小倉氏営業からの開発依頼書もしくは技術部門の自主開発起案書をもとに『開発計画書』を起票します。開発の目的、課題・目標、ターゲット市場等の基本情報を記入。その下に、マイルストーンのスケジュール管理エリア、ステージゲート管理エリアがあり、ゲートキーパーの承認を経て、ステージを移行していきます。

木村氏ステージ毎に『開発履歴書』を起票し、商談メモを添付したり、カタログやサンプルの入手履歴、レシピデータなど、いつ誰がどのような作業をしたかと、そのエビデンスを1行毎に蓄積しています。作業内容は8種類に分類し検索に活用。『設計の審査』と『妥当性確認』を選択すると上長の承認が必須に切り替わります。

開発履歴は300行に達する場合もある。それらの内容が後から参照する価値のある情報となる。

木村氏中止テーマも含めて検索し、その経緯が一発でわかるので、データ活用が図れ、重複作業も防止できます。中止テーマは情報が個人に埋もれがちですが、内容的に優れ、後から活用できる技術があります。それらも含めて詳細な履歴が残ることは大きな財産になります。

お客さまプロフィール
日本バイリーン株式会社
本社 東京都中央区築地五丁目6番4号 浜離宮三井ビルディング
資本金 10,680百万円
従業員 (連結)1,764名 、(単体) 875名
事業内容 不織布の持つ無限の可能性を追求している、不織布の国内トップメーカー。従来の不織布にさまざまな付加価値を付け、さらに機能を発展させるとともに、「Engineering Fabrics」と名付けた高機能製品を幅広く展開。新たな不織布を開発し、従来市場の拡大と新規市場開拓を目指している。
東京工場・研究所

東京工場・研究所

  • 記載されている製品名、会社名は各社の商標もしくは登録商標です。

お問い合わせ

メールマガジン登録

「ダイキン 製造業向けITソリューションNEWS」
イベント情報やものづくりブログなどお客様に役立つ情報をお届けします。

ページの先頭へ