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設備競争力の強化に向けて、エンジニアリング業務改革を推進

株式会社カネカ

株式会社カネカ

経営ビジョンで掲げた高い成長目標の達成には、設備競争力の強化が不可欠。その実現に向けてドキュメントを軸としたエンジニアリング業務改革を推進し、上流工程や人材育成にリソースを重点配分。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

カネカは、長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』にて、2020年度での連結売上高1兆円達成という高い成長目標を掲げ、様々な変革に取り組んでいる。その一つが、エンジニアリング業務の改革だ。エンジニアリング体制を再構築し、さらに、長年にわたって非効率の要因となっていたドキュメント管理の根本的な見直し、プロジェクト管理の強化を実施した。これにより、近年急増している案件の業務効率を高め、上流工程に工数を重点配分。LCP実現(設備競争力強化)に向けて邁進している。
※LCP:The Lowest Cost Producer

導入前の課題

急増する案件の対応に加え、LCP実現(設備競争力強化)が求められ、業務改革が喫緊の課題に

田代 研 氏

エンジニアリング部 企画担当
幹部職
田代 研 氏

田代氏高い成長目標の達成に向けて、エンジニアリング部門には、これまで以上にLCP(設備競争力強化)の実現が求められています。そのためにも、基本計画やフィジビリティスタディといった上流工程を充実していかなければならないのですが、現実には工数の約50%が詳細設計や工事実施といった定型・定例的な業務にとられており、ここをいかに圧縮するかが課題となっていました。

エンジニアリング業務では、図面や資料はノウハウの塊。数十年にわたって点検・修理・改修に利用される他、新プラント建設の際にも欠かせない情報となる。しかし、従来はドキュメントが各部門サーバや個人PCに散在し、アクセス制限や網羅的な検索ができない、どれが最新版かわからない等、「とにかく効率が悪い」状況だった。
山本 雄作 氏

高砂工業所 生産技術グループ
設備管理技術チーム 幹部職
山本 雄作 氏

山本氏近年の設備投資増加を背景に、人員が十分に増えない中で業務量が3~4割アップ。瞬時的には1.5倍になることもありました。さらに、上市までのリードタイム短縮が強く求められ、プロジェクトを発進してから技術を確立していくために手戻りが増加。このように現場が逼迫する中で、業務効率化が急務となっていました。また、中堅技術者のスキルレベルが不十分であったり、若年層で仕事のやり方がバラバラだということが顕在化しており、その対策にあてる時間を創出することも必要になっていました。

木中 真吾 氏

エンジニアリング部
設備管理グループ 主任
木中 真吾 氏

木中氏このような状況を打破するために、非効率の要因となっていたドキュメント管理を抜本的に見直すことになりました。ファイルサーバでは避けられない資料探しの時間を無くし、もう一段高度な業務を可能にする狙いです。また、クラウド活用によるBCP対策や、アクセス権の一元管理によるセキュリティ強化も図ろうと考えました。

また、カネカの海外工場では情報統合による効率化・技術伝承が進んでおり、国内でも取り組むべき、という機運も芽生えていた。

運用状況・導入効果

複数職種で業務が並行し、膨大な資料が作成されるプラント開発の業務改革を行う情報基盤

2015年3月、SpaceFinderの運用を開始。業務依頼からプロジェクト推進、さらに完成ドキュメントの管理までが一連の仕組みになっている。国内の4つの生産拠点をカバーする技術情報データベースであり、プロジェクト管理機能も統合。現在、エンジニアリング部門・製造部門を中心に活用している。

田代氏プラント設計では、機械や電気、計装、システム、土木建築等の職種が並行して作業しますので、プロジェクト管理帳票の配下に各職種の管理シートが紐付く構成になっています。当社では、年間で約2,000件のプロジェクトが発生し、膨大な数のドキュメントが作成されます。今回、まちまちだったドキュメント名を統一し、帳票上で保管する場所を決めることで、どこにどの情報があるかが視覚的に誰でもわかるようになりました。文書のURLをメールに記載することで、ファイルを添付しなくても業務のやり取りを行うことができるので、文書の複製が散在したり、受け取った人が変更を加えて再びばら撒くといったことがなく、全員が同じ情報を見て仕事をすることができます。

木中氏以前はプロジェクトの一覧を作成するだけでも大変でしたが、今は自動でリスト化され、進捗確認も効率化しています。様々な検索条件を設定でき、ワンクリックで参照できますし、遅れが発生している場合は赤色でアラート表示されるので抜けのないアクションに繋がります。

エンジニアリング分野では、ドキュメントをいかにコントロールするかが、全体の生産性を左右すると語る田代氏。SpaceFinderの導入により、長年の課題が解決に向けて進み始めた。
後藤 安利 氏

大阪工場 生産技術グループ
エンジニアリングチーム 主任
後藤 安利 氏

後藤氏トラブル対応では、回路図面一つ修正がかかっていないだけでも対応時間に大きな差がでますし、設備改良の際も最新図面が必要です。しかし、経験の浅い技術者は短時間で的確にドキュメントを探すことができず、業務に時間がかかることが課題になっていました。今では、すぐに必要な情報を見つけられるようになっています。大阪工場には過去の膨大な図面がまだ紙で残っていますので、スキャニングを行ってSpaceFinderへの登録を進めているところです。また、各機器メーカーのマニュアルもSpaceFinderに集約しています。なにか異常が発生した場合は、SpaceFinderからマニュアルを取り出して処置をするという運用をしており、現場の担当者にたいへん好評です。

設計支援ドキュメント:設計の過程で、業務効率化に有効な書類・情報を即座に確認できる

川中 康司 氏

高砂工業所 生産技術グループ
設備管理技術チーム 主任
川中 康司 氏

川中氏プロジェクト管理シート・職種シートには、設計効率化を推進する仕組みを盛り込みました。様式・参考資料・標準・MP(保全計画)・過去トラという『設計支援ドキュメント』を整備しており、設計過程で、簡単に参照することができるようになっています。

山本氏例えば、計装設計職種シートの機器購入仕様書というドキュメント名の参考ボタンを押すと、メンテナンスチームで管理している機器区分が表示されます。その中から流量計を選択すると、登録されている機種が表示され、その仕様書を参照できます。また、参考ボタンを押すとサンプルや注意事項等が表示されます。標準ボタンを押すと、この機器に該当する標準が表示されます。情報は点在していることも問題ですが、たとえ一箇所に集まっていたとしても、そこから欲しい情報を探し出すのが大変。設計の過程で、該当する情報を絞り込んで取り出せれば設計支援になりますし、これが効率化のキーになると考えています。

木中氏設計をする際に見ておくべき情報を提示することで、より少ない時間で品質の高い設計ができるようになると期待しています。また、OJTで伝えるべき内容を学習でき、自分でスキルアップできる仕組みでもあります。

システム改修が翌日には完了

山本氏今までのシステムは改修に費用と時間がかかっていましたが、SpaceFinderは簡単に改修ができるので助かっています。社内に担当者がいて、メールで依頼すると翌日には対応が完了します。SpaceFinderは、ちょっとスキルのある人が教育を受ければ、簡単に使えるシステムだと思います。

田代氏SpaceFinderの特長である「少しずつ改善していける」を日々実践しています。

山本氏例えば、計装設計職種シートの機器購入仕様書というドキュメント名の参考ボタンを押すと、メンテナンスチームで管理している機器区分が表示されます。その中から流量計を選択すると、登録されている機種が表示され、その仕様書を参照できます。また、参考ボタンを押すとサンプルや注意事項等が表示されます。標準ボタンを押すと、この機器に該当する標準が表示されます。情報は点在していることも問題ですが、たとえ一箇所に集まっていたとしても、そこから欲しい情報を探し出すのが大変。設計の過程で、該当する情報を絞り込んで取り出せれば設計支援になりますし、これが効率化のキーになると考えています。

お客さまプロフィール
株式会社カネカ
本社 大阪府大阪市北区中之島2-3-18 中之島フェスティバルタワー
東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル
資本金 330億46百万円(2015年3月31日現在)
従業員 (連結) 8,529名  (単独) 3,344名 (2015年3月31日現在)
事業内容 1949年(昭和24年)の創立以来、化成品、機能性樹脂、発泡樹脂・製品、食品、ライフサイエンス、エレクトロニクス、合成繊維と幅広い分野で製造・販売活動を展開。2020年をターゲットとする長期経営ビジョン『KANEKA UNITED宣言』では、人と、技術の創造的融合により成長分野で競争力のある事業を創出し、グローバル企業として進化し続けることを経営基本方針に掲げ、「環境・エネルギー」「健康」「情報通信」「食料生産支援」という4つの成長分野へ経営資源を重点配分。2020年数値目標である、連結売上高目標:1兆円、海外売上高比率:70%を目指して様々な変革に取り組んでいる。
  • 記載されている製品名、会社名は各社の商標もしくは登録商標です。

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