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ISO9000で定めた開発フローに沿って成果物が自然に蓄積

株式会社松浦機械製作所

株式会社松浦機械製作所

ISO9000で定めた開発フローを実行すれば成果物がその通り自然に貯まっていく仕組みを構築できました。一つの画面で機種開発の一連の流れがわかり、審査承認を経た信頼性の高い情報をすぐに取り出すことができます。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

過去の成果物やノウハウ、トラブル対応履歴の蓄積なしに、一歩先を行く製品を確実に開発することはできない。製品開発の基本ともいえるこの思想を徹底して追求し実践しているのが、松浦機械製作所(以下、松浦機械)だ。開発フローを確実に回し、漏れの無いデータ管理と共有化を実現。『他社のやらないことをやる』開発方針の下、独自の新製品を次々とリリースしてきた松浦機械の開発情報インフラとしてSpaceFinderが活躍している。

導入前の問題点

開発成果物が個人持ちでバラバラになっているために、過去のデータを探すための無駄な時間が頻発

天谷 浩一 氏

取締役 技術本部長
天谷 浩一 氏

天谷氏当社は、多種類の加工を数値制御によって行う「マシニングセンタ」(以下、MC)の専業メーカーです。現在50数種の基本機種があり、それぞれに約30の標準オプションがあるので、総設計数は1500に達する計算です。毎年2~3の基本機種とそのオプションを開発し、個別受注品も年に約200件発生。これらの開発フローを確実に回し、日々作成される情報をいかに管理するかということが課題となっていました。

開発現場は、標準品の設計が終わると即座にオプション品の設計に移行。実際に良く売れるのはオプション品なのでその設計を早く仕上げなければならないからだ。そのため、完了した開発案件の成果物登録が疎かになり個人のPCや紙ファイルに散在してしまっていた。

天谷氏こういったシステムは投資効果をいろいろ考えるより入れた方が早い。また、トップダウンで決める方が効果的だと思います。

さらに2007年には電子帳票モジュールを導入し、より業務組み込み型での運用が開始した。

運用状況

開発フローの遵守を徹底し、成果物の登録・審査・承認がムリなく自然に実現

このような課題を抱えた天谷氏がSpaceFinderと出会ったのは2004年秋。DBとワークフローが統合したSpaceFinderなら、開発フローに沿ったデータ蓄積が実現できるというのが選定理由。

天谷氏こういったシステムは投資効果をいろいろ考えるより入れた方が早い。また、トップダウンで決める方が効果的だと思います。

さらに2007年には電子帳票モジュールを導入し、より業務組み込み型での運用が開始した。
三沢 壮平 氏

技術本部 技術管理 チーフ
三沢 壮平 氏

三沢氏SpaceFinderの導入により、ISOで定めた開発フローを実行すれば成果物がその通り自然に貯まっていく仕組みが構築できました。

天谷氏技術本部は、標準品の開発設計を行う「開発研究」、個別受注品を開発する「商品設計」、製品の評価や技術本部全体の管理業務を行う「技術管理」、お客様の加工に関するアプリケーションを提供する「営業技術」で構成され、これらすべてがSpaceFinderを活用しています。

山岡 恒治 氏

技術本部 技術管理
マネージャー
山岡 恒治 氏

山岡氏標準品開発では、基本機種とオプション品それぞれに電子帳票が作成されます。メインの電子帳票には開発要素や機能がリストされ、そのボタンをクリックすると成果物管理と審査承認フローを実現する詳細電子帳票が起動する仕組みです。

高原 光代 氏

技術本部 技術管理
高原 光代 氏

高原氏詳細電子帳票の上部分は作成しなければならない成果物のリストで、下部分は審査承認エリアになっています。登録された成果物に対して、チームリーダー、マネージャー、本部長の順で審査承認フローが流れます。差し戻しの場合は理由コメントを参照し修正作業が行えます。差し戻しの履歴を残し、成果物の登録状況とあわせて1つの画面ですぐに見ることができるので便利です。詳細電子帳票画面で管理されているステータスや日付はメイン電子帳票画面に反映されますので、機種毎の開発進捗がメイン電子帳票画面にて即座に把握できます。

山岡氏新機種は量産前に1000時間の連続運転を行い、すべてのパーツを分解してどこがどれだけ磨耗しているのかをチェックしているのですが、そういったデータも全てSpaceFinderに登録しています。

不具合処理管理、品質目標管理、開発検討管理へと、次々に用途を拡大

同様の仕組みを使って、不具合処理管理や品質目標管理、開発検討管理も行っている。自在に帳票やワークフローを追加修正し、用途を拡大できることもSpaceFinderを使うメリットだ。

三沢氏不具合処理管理票は機種毎に起票され、サービス部門が受付けたクレームの中で、設計対応が必要になった案件が登録されていきます。不具合案件毎に詳細帳票が起動し、不具合処理で定められた成果物の登録と審査承認フローが流れます。

山岡氏例えば、当社での検証結果と客先での動作が異なる場合は、その原因や条件を調査します。当社の検証の仕方が不適切だったのか、条件が違うのか、お客様の使い方に起因しているのかをすべて検証して、その結果を残しています。それもすべてDRで承認されたデータです。これらの蓄積が、次の開発のノウハウとして活用されるのです。

導入効果

審査承認を経た信頼性の高い情報を漏れなく共有化。最新情報の共有化によりトラブルも防止

三沢氏一枚の帳票で機種開発の一連の流れがわかり、情報が共有化できたのは大きな成果だと思います。登録されているデータも審査承認を経たものなので、単にフォルダに入っているのとはデータの信頼性が違います。

山岡氏電気・ソフトウェアは類似設計主体ですが、機械は個別設計主体なので開発期間が比較的長く、設計のタイミングがずれる場合があります。その際に、一方の仕様変更が他方に伝わっておらず、トラブルや手戻りになることがありましたが、今は、相互に関係する仕様変更について都度DRで内容を検討し、決定された方針・方法をSpaceFinderに登録して設計を進めるため、仕様や方針の不一致を防止できます。

天谷氏営業から「この機械の検証結果を知りたい」といった問い合わせにも効率的に対応できます。

「ものづくりは過去のトラブルやクレーム、ノウハウ、規準、成果物が基礎」と語る山岡氏。これらを情報資産として活用できることで、設計スピードの向上はもちろん、間違いのない設計が行える。さらに技術の伝承、新人の早期立ち上げにも効果を発揮しているという。

開発フロー遵守やペンディング事項の潰し漏れ防止、今やるべきことの明確化など、業務改善にも効果

天谷氏SpaceFinderの運用を通して、仕事のやり方が変わってきました。以前は1つの案件が終わるともう次の仕事という風でした。後からデータを登録するのは面倒だし、人は楽をしたい。終わった直後はそのデータがなくても困らないですから。しかし、それをやっていると、何が終わったのか、どこまで進んでいるのかが人の記憶頼りでわからなくなってしまいます。また、人によってやり方が違うとアウトプットも変わります。しかし、SpaceFinderで開発を進めることで、どのような成果物を作成しなければならないかが明確になり、漏れはなくなりました。さらに、DRを行ったらその記録を残す、気になることはペンディングとして残す、何が残っているか記録を残す、ということを組織に浸透させることができました。それらの情報がすべてSpaceFinderに入っていますので、今残っている案件はこれこれで、全体の中で今やらなければならないことはこれとこれ、ということが分かるようになり、やり残しもなくなりました。

お客さまプロフィール
株式会社松浦機械製作所
本社 福井県福井市漆原町1-1
資本金 9,000万円(自己資本 160億9,700万円)(2009年4月現在)
従業員 298名(2009年4月現在)
事業内容 多種類の加工を数値制御によって行うマシニングセンタを主力に、金属光造形複合加工機やCAD/CAMシステム等を製造・販売。他社にない一歩先を行く製品開発で、航空機・宇宙業界、自動車・モータスポーツ業界、精密機器、通信、医療など、日米欧を中心とした先進メーカーから高い支持を獲得している。
株式会社松浦機械製作所
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