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設計DRを改革し議論の質を向上。組織的な課題解決で手戻り大幅減

三協立山株式会社 三協アルミ社

三協立山株式会社 三協アルミ社

高度な顧客ニーズにオーダーメイドで対応する『特殊・大型案件』の設計DRを改革。事前質疑を徹底し、会議ではQCD改善の議論を充実。課題解決アクションを組織的に展開することで、手戻りも大幅削減。

以下は一部抜粋です。記事全文と運用イメージはこちら!

総合建材メーカー大手の三協アルミ社が、個別対応案件の設計業務改革を推進している。高度な要望が組み込まれる『特殊・大型案件』の増加と中堅技術者不足を背景とした、QCD向上と業務効率化の両立が狙いだ。設計技術審査会(設計DR)および、その前後の業務フローの見直しと情報基盤構築をセットで推し進め、議論の充実と未決事項の削減、組織的な課題解決アクションの展開に成功している。

導入の経緯

中堅技術者が不足する中、増え続けている『特殊・大型案件』に対応できる体制作りが必要

田主 秀樹 氏

ビル事業部 設計部 部長
田主 秀樹 氏

田主氏東京五輪等の影響もあり、関東圏を中心に、顧客要望にオーダーメイドで対応する『特殊・大型案件』が増加。今後も、この傾向は続くと考えられます。これらの案件は金額が桁違いに大きい一方で、高度な顧客ニーズが盛り込まれてきますので、その設計には多角的な検討やアイデアの結集が必要。一方で、当社では中堅社員を中心として技術者不足が顕著になっており、QCDを向上しつつ、案件増に対応できる体制作りが必要になっていたのです。

その対策として工程管理の強化に取り組む中で、設計技術審査会の位置付けが曖昧になっている現状が見えてきた。また、同時期に活動していた中期戦略ワーキンググループからも、課題・指摘の対応履歴を明確化し、情報共有できる仕組みが必要だという問題提起がなされた。
大橋 正夫 氏

ビル事業部 設計部
設計技術課 課長
大橋 正夫 氏

大橋氏当社では、案件の設計は支店・営業所が担当し、『特殊・大型案件』については、本社設計部や製造、資材部門等が支援する体制をとっています。設計技術審査会は施工図の内容検討を行う場で、百枚を超える図面をその場で確認していたため、時間がかかる上に会議が意見出しに終始。課題・指摘への対応は担当者に任され、対策内容についても情報共有されていませんでした。

このような課題を解決すべく、『設計技術審査会の強化と情報共有化』・『課題解決アクションの組織的な定着によるQCD向上』を目指して改革がスタート。情報基盤として、DR改革での導入実績が豊富で、事例セミナーで具体的な運用イメージを掴むことができたSpaceFinderが導入された。

運用状況・導入効果

案件のQCDを向上する場として、設計DRが活性化。課題管理も徹底し、手戻りを防止

佐野 行俊 氏

ビル事業部 設計部
管理課 主事
佐野 行俊 氏

佐野氏2015年9月にSpaceFinderを導入し、翌年1月から運用を開始しました。支店・営業所と設計部、製造・購買部門等の約100名が利用しています。三協立山グループでは、三協マテリアル社やタテヤマアドバンス社もSpaceFinderを導入しており、セキュリティを確保した上で、統合環境で運用しています。SpaceFinderはスクリプトを組まずにパーツの組み合わせで構築でき、経験の浅い人でも触りやすい仕組みだと思います。

新システムは、案件情報や図面・資料を登録する『情報シート』と、設計技術審査会の開催案内や議事録、課題・指摘、対応内容を登録する『議事録・課題』という2つの電子帳票が連携する仕組みとなっている。

技術課題の抽出と対策検討を事前に行うことで、DRの議論が充実し、未決事項も減少

石塚 和之 氏

ビル事業部 設計部
設計技術課 主事
石塚 和之 氏

石塚氏SpaceFinderの導入とあわせて審査会のやり方も見直しました。設計担当者は、案件毎に『情報シート』を起票し、審査会の2週間前までに図面を添付します。参加予定者は図面を確認し、開催1週間前までに『議事録・課題』帳票に質疑を記入。担当者は当日までに対応内容を記入します。こうすることで、審査会では対応内容の検討に集中でき、未決事項も減少。会議時間も短縮しました。機能・施工性の向上、コストダウンといったプラスαの議論も充実させることができました。

設計技術審査会では、数十~百件あまりの課題・指摘が出されるが、その対策を極力担当者の持ち帰りにせずにFIX。さらに、QCD向上についてアイデアを出し合い議論する場として、設計技術審査会が劇的に変化している。

大橋氏以前は指摘される一方だった設計担当者から、積極的に質問や相談されるケースが増えています。それらにレスポンス良く回答することで担当者がメリットを感じ、より積極的にSpaceFinderを活用するという好循環が生まれています。

奥田 勝紀 氏

ビル事業部 設計部
設計技術課 主事
奥田 勝紀 氏

奥田氏登録された課題・指摘に対して、私が回答できることは回答しますし、問題になりそうな箇所は先行して確認し、結果を記載しています。よりコストダウンできる方法があれば、率先して提案します。このように担当者を支援することで設計効率化を図っています。このような動きができるようになったのもSpaceFinderのおかげです。

石塚氏このシステムは、ただの管理ツールではなく、設計担当者の業務に役立ててもらうためのものです。その点を早く浸透させたいですし、もっと活用してもらいたい。そのためにも、こちらから積極的に動くようにしています。また、SpaceFinderで情報を一元管理することで、設計技術審査会をWeb会議で行うことも可能だと思います。遠方から人が移動しますので、その時間や経費を削減でき、業務もスピーディになります。SpaceFinderの運用そのものが改革だと思っています。

大橋氏同じ担当者が同様の指摘をされるケースは間違いなく減っています。以前と違い、自分で対応内容を記載して共有化しているので、認識の差がかなり大きいのでしょう。技術者のレベルアップ、注意喚起には十分活かされていると思います。

案件によっては、オンライン上での質疑・応答で完結。改革目標である『設計技術審査会の強化と情報共有化』は着実に達成しつつある。次に、もう一つの目標である『課題解決アクションの組織的な定着』についてご紹介しよう。

課題解決アクションを組織的に展開。指摘課題にかかわる手戻りは基本的に無くなった

情報共有化を武器に、従来は担当者任せだった課題解決が、組織のアクションとして展開されている。例えば、継続検討や後工程で対応する課題を追跡する、課題への対策として決めた内容が図面に反映されていることを関係者が確認する、というような取り組みだ。

奥田氏形材や部品を新規作成する場合、手配依頼の図面に、課題・指摘の対策が実際に反映されているかどうかを確認しています。未対応の場合は図面修正を依頼。工図部門の担当者も、手配図面が送られて来た時に、設計技術審査会で未決だった課題・指摘が、その後どのように対応されたのかを理解できるようになりました。

大橋氏生産部会でも、課題・指摘の残件の有無や、課題に対してどのように解決方法をとったのかを確認しています。このようなアクションにより、課題・指摘事項への対応が図面に反映されないまま手配をかけるような事態を防止できています。実際、SpaceFinderの運用を始めてからは、設計技術審査会で出された課題・指摘に関連した手戻りは、基本的に無くなっていると思います。

~課題・指摘は貴重な技術資産。設計の効率化や設計基準の更新、研究テーマのネタとして活用~
『情報シート』には、設計条件、施工条件、表面処理、特殊項目など、案件の詳細情報も記入される。

お客さまプロフィール
三協立山株式会社 三協アルミ社
本社 富山県高岡市早川70番地
従業員 4,167名(平成28年11月30日現在)
事業内容 玄関ドア、窓、インテリア建材、門扉・フェンス、カーポートからビル商品までを揃える総合建材メーカー。ビル建材分野では、安全性・快適性・利便性を追求し、先進の技術と柔軟な企画力により、提案性の高い商品を開発している。住宅建材分野では、「人にやさしい」「地球にやさしい」「安全・安心」をコンセプトにした商品を提案。エクステリア建材分野では、屋外空間を豊かに演出するミューテリアライフや門まわりを多彩にアレンジできる多機能商品など、幅広いデザインと機能を兼ね備えた魅力ある商品で顧客ニーズに応えている。
三協立山株式会社 三協アルミ社 本社

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